長年見守っていたKairos、遂に倒産しちゃったね!

WEBページがおかしい

当ブログで「スマートウォッチ Kairos Watchを1週間使って」や「Kairos Watch現状報告2016」で紹介してきていたKairos Watchの製造元が遂に倒産したようです。

調べたわけではありませんが、WEBサイトのSSL証明書が更新されずに放置されていることから、おそらく本当です。 WEBサイトしか購入先がないのに、証明書切れてたら商売になりません。Facebookページに質問もしてみましたが、数ヶ月間音沙汰なし。もうダメでしょう。

これまでのあらすじ

手元に届くまで

Kairso Watchは世界で初めて透過型タッチディスプレイと機械式時計を同時に搭載したハイブリット型スマートウォッチとして2014年に登場しました。当時としてはそこそこ話題になり、事前購入者もそこそこいた印象です。 私も事前購入して、時計本体に499ドル・ワインダーに50ドルを支払いました。どちらも早期購入だったので50%オフでした。

残念ながらKairos Watchの出荷は順調にはいかず、私の手元には2015年冬に届きました。2014年冬に出荷予定だったことを考えると、1年遅れです。 この間にはApple Watchの出荷が開始されたりAndroid Wearが発表されたりしていました。一時期Android Wear搭載予定との記載がKairosにもありましたが、断念したようです。

誤解の無いように行っておくと、当時はこの会社にはまだ希望がありました。ソフトウェアの出来は余り良くはなかったのですが、何度かFWアップデートが行われていろんな部分が改善されていきました。

唐突な新アプリリリース

FWアップデートでとりあえず通知はちゃんと来るようになったのですが、音楽のコントロールやスマートフォンを探す機能などはいつになっても実装されませんでした。

イライラを感じだしたころ、なぜか新アプリがリリースされました。 おそらく2016年後半頃の出来事です。 これのおかげでアプリごとの通知の可否を制御できるようになり、かなり使い勝手が改善しました。 依然としてスマートウォッチ側からアクションを起こすことは出来ませんでしたが、まだ開発が続けられていたのは確かです。

最後のアプリアップデート、そして終息

Google Playによると、アプリの最後のアップデートは2017年4月23日でした。 リリース以降に追加された機能は、天気の自動通知のみ。アップデート頻度は当初と比べると激減しており嫌な予感はしていました。

私がWEBサイトの不具合を発見したのは10月のことです。SSL証明書は9月で失効しており、倒産したと考えるほかありません。 商品が来たのは良かったのですが、ワインダーはきませんでした。

Kairos Watchは何がダメだったのか??

WEBサイトの不具合を確認してから筆者はHuawei Watch2に乗り換えましたが、快適そのものです。

透過型ディスプレイを搭載するというアイデアは良かったものの、出来上がった商品は無骨で重厚長大なものでした。 装着しているだけで肩が凝る代物です。 その上、ソフトウェアの出来が最悪でした。通知をお知らせしてくるだけで、他になにも出来ない。

ベンチャーといえども競争相手は世界企業ですし、顧客はハンデを与えてくれません。今後はベンチャー商品でも以下の点に気をつけて、うっかり倒産されないように気をつけたいです。

  • ソフトウェアを公開したり、OSSを多用する企業を選ぶ
  • 製品のプロトタイプをよく見て、製造可能か考える
  • 価格設定が妥当かどうか?

やはり、Android Wearなどの汎用OSを搭載している安心感は大きいです。「色々な機能の実現可能性」をウリにしているならば尚更です。 同時に、製品の製造見込みが立っていることも重要です。長く設計するほどお金がかかります。 最後に価格ですが、Kairos Watchは高すぎたと思います。正規購入の価格が10万円で、誰が買うのか分かりません。開発費・原材料費を考えれば妥当なのかもしれませんが、競合他社を考えると倒産して当然だったのかもしれません。

悲観的なことばかり書きましたが、ベンチャー企業界隈には頑張って欲しいとは思います。でも、ボランティアでその企業を助けても仕方が無い。難しいところだと思われるばかりです。