2016年版、電子書籍リーダ比較です。

新たに電子書籍を使ってみたい人はどのサービスを使って、どの機器を買うのがよいのでしょうか。 現状をまとめてみました。今回は Kindle, Kobo, Sony Readerの3つを扱います。

2015年版はこちら。

電子書籍ストア

書籍数

まずは主要な電子書籍ストアの取り扱い書籍数を比較してみましょう。2016年8月15日現在の書籍数をまとめました。 括弧内の数字は昨年との比較です。

書籍数ですが、依然Kindleが最強です。ただしAmazonが個人出版に力を注いでいることは無視できないでしょう。 なぜかKindleストアからライトノベルが大幅減していますが、これは何かあったのでしょうか。

実は各社とも増加率は大して変わりません。Reader Storeはとりあえずのところちゃんと他社に追随できていると言えるので、いますぐ撤退することはなさそうです。 ただ端末がいつまでもアップデートされないので、先細りするのは確かでしょう。

()は昨年比 Kindle Kobo Reader
コミック・ゲーム攻略 163,111
(+31%)
128,093
(+33%)
129,767
(+35%)
雑誌 13,205
(+97%)
14,563
(+86%)
13,149
(+63%)
文学・新書 86,642
(+23%)
76,384
(+24%)
57,811
(+20%)
ライトノベル 22,130
(-28%)
16,480
(+31%)
21,055
(+37%)
ビジネス・経済 19,506
(+5%)
21,264
(+28%)
16,647
(+33%)
人文・思想・歴史 36,973
(+15%)
41,440
(+72%)
8,141
(+23%)
PC・情報 7,084
(+38%)
5,018
(+32%)
3,478
(+65%)
サイエンス 15,750
(+13%)
7,842
(+20%)
3,250
(+25%)
ノンフィクション 5,565
(+79%)
10,357
(+45%)
4,846
(+20%)

1.2 書店の特徴

ここは2015年版と全く同じです

各書店とも独自のDRMを採用しています。そのためどこの書店を利用するかは結構重要な問題になるわけです。

ちなみにReaderは、海外ストアが閉店するときに、購入済みの本がKoboストアに移管された例があります。その点Readerストアは閉店しても悪いようにはしないだろうという安心感はありますね。逆に楽天は依然運営していRabooをいい加減に閉店した例がありますので、どうなることやら。やはり初めての方はKindleで買うに限ります!

ちなみに各書店ごとに価格の設定が違います。Kindleは現金値引きが主であるのに対して、Kobo/Readerはポイント還元を採ることが多いです。

Kindle Kobo Reader
DRM あり あり あり
価格 安価なKindle版書籍あり、割引あり(~50%) 数百円の割引あり 割引は少ない
ポイント ポイント還元は少ない 楽天ポイント還元あり(1~30%) ソニーポイント還元あり(1~20%)
利用可能な端末 Win/Mac/iOS/Android Win/Mac/iOS/Android ブラウザ/iOS/Android/PSVita
利用可能な電子書籍リーダ Kindle Kobo Sony Reader

電子書籍端末

2016年版ですが、各社の主力製品が更新されていないのでそのままです。 Kindle Paper White (Gen3), Kobo Glo HD, Sony PRS-T3Sの3機種を比較しました。

HW性能

重要な違いの1つは、E-inkの種類です。Sonyのものだけは1世代古いE-inkを使っていますので、コントラスト比(白黒の明るさ比)が少し小さいです。薄暗い場所ではすこし読みにくくなります。 高品位なコピー用紙と再生紙くらいの違いでしょうか。私は電車の往復でPRS-T3Sを使っていますが、特に読みにくさは感じません。

もう1つ重要なのが、重量です。さすがにSony Readerの160gとKindlePWの205gの差は大きいです。長時間掴んで読むことを考えると、軽さは思ったよりも大切かと思います。

余談ですが、自炊派の人たちには解像度とmicroSDの有無も重要です。ただ、現実に自炊派ってどれだけいるのだろう・・・? とにかくどれも、帯に短したすきに長し、完璧な機種はないですね。

Kindle Paper White 第3世代 Kobo Glo HD Sony Reader PRS-T3S
画面サイズ 6インチ 6インチ 6インチ
E-ink性能 Carta Carta Pearl
(Cartaより古い)
バックライト あり あり なし
解像度 300dpi 300dpi 214dpi
サイズ 169/117/9.1mm 115/157/9.2mm 107/160/8.8mm
重量 Wifi:205g Wifi+3G:217g 180g 160g
容量 4GB 4GB+microSD 2GB+microSD
通信 Wifi / Wifi+3G Wifi Wifi
保証 標準1年
延長保証2年:+1,980円
延長保証3年:+2,970円
1年 標準1年
延長保証3年:+514円
価格(税込) 14,280円
+3G: +5,200円
キャンペーン情報付き: -2,000円
13,824円 10,265円

なお、AmazonはKindle OasisPaper Whiteの上位機種として、Kindleを下位機種として登場させています。他社は特に変わりありません。

SW性能

各社とも、自社の電子書籍ストアが閲覧できること以外では対応フォーマットに大きな差はありません。 古いKindleはPDFが読めないなどの不利がありましたが、もう解消されたようですね。地味に便利なのがクラウドサービスとの連携で、 KoboはPocket、ReaderはEvernoteとそれぞれ連携します。この機能だけで購入を決めてしまう人もいそうですね。

Kindle Paper White 第3世代 Kobo Glo HD Sony Reader PRS-T3S
対応フォーマット Kindle/TXT/PDF/MOBI/PRC/HTML
DOC/DOCX/JPEG/GIF/PNG/BMP
EPUB/PDF/JPEG/GIF/PNG/BMP
TIFF/HTML/CBZ/CBR/MOBI
MNH/ZBF/BOOK/EPUB/PDF/TXT
JPEG/GIF/PNG/BMP
辞書 大辞林/Oxford Dictionary of English
The New Oxford American English Dictionary
ジーニアス英和辞典
プログレッシブ和英中辞典
大辞林/ジーニアス英和辞典
New Oxford Ameican Dictionary
SNS Facebook/Twitter なし? なし
記事共有 独自のクラウドサービス Pocketと同期 Evernoteと同期
書籍の購入 Kindle Kobo Reader Store/紀伊國屋

2016年:HWレベルで大きな差なし。Kindle優勢も他社奮闘。

Amazonが上位機種と下位機種をリリースしただけで、HW関連で大きなニュースは1年間ありませんでした。 Kindle Oasisは良い機種のようですが、価格も考えるとマストバイとは言えません。新機種が出ないのは、E-Inkが1社独占供給状態なので仕方ないですね。

書籍数はKindleが優勢ですが、他社も諦めずに当分戦いを続けるようです。どこが覇者になるのか、という考え方がもう時代遅れなのかもしれません。電子書籍市場は小康状態に入り、カラー対応端末登場までは当分この状況が続く可能性があります。その後どうなるかは、誰にも分かりません。