LinuxPCを複数のユーザで使いたい時、どのようにユーザを追加すればよいか説明します。

Linuxのユーザ概念

CUIでの操作を説明する前に、Linuxのユーザ管理手法について簡単に説明します。

ユーザとグループ

LinuxにはWindowsと同じように複数ユーザが同じマシンを用いる仕組みが導入されています。 ユーザの識別は「ユーザ名」で行われていて、各ユーザは「パスワード」を設定することが出来ます。

Linuxではさらに利便性を向上させるため「グループ」という仕組みも導入しており、各ユーザは好きなグループに入ることができます。 グループには「グループ名」と「グループパスワード」があり、ユーザは複数のグループに所属することが可能です。 ファイルのアクセス権をグループに付与することもできるので、簡単に同じPC上の他ユーザとデータを共有することができます。

Windowsにも複数ユーザのアクセス管理を行う仕組みはありますが、グループはあまり良く登場する概念ではありませんね。

ファイル構成

Linuxではユーザ名やパスワードはテキスト形式のファイルに保存されています。 それぞれ、以下のファイルを参照してみて下さい。

ファイル名 説明
ユーザ名 /etc/passwd ユーザ名やホームディレクトリが記述されている
ユーザパスワード /etc/shadow ハッシュ化されたパスワードとハッシュアルゴリズムが記載されている
グループ名 /etc/group グループ名や所属するユーザが記述されている
グループパスワード /etc/gshadow グループパスワードが記述されている

以前はpasswdファイル中にパスワードもハッシュ化された上で保存されていましたが、最近のディストリビュションではすべて別ファイルに保存されます。また、OSを新しくインストールした場合、これらのファイルをコピーすればユーザ情報を復活することが出来ます。

CUIでユーザ追加

新たなユーザ”newuser”を追加するには、以下のようにコマンドラインに入力します。 これでユーザが追加され、ホームディレクトリなども自動で作成されます。

# adduser newuser

ユーザを作成するだけでは、パスワードがありません。パスワードを設定するには、以下のようなコマンドを実行します。 対話形式でパスワードを2度聞かれますので、同じ文字列を入力してパスワードを設定しましょう。

# passwd newuser